サビを最初に作るのが圧倒的におすすめ
曲作りを地図に例えるなら、イントロは出発地、サビは目的地です。サビは、曲の盛り上がりが最大になる場所でもあります。
出発地から順番に道を作るのではなく、先に目的地となるサビを作ります。そして、そのサビを完成させることを、制作工程における最初のゴールにするのが圧倒的におすすめです。

まずはここを最初のゴールにしましょう!
イントロから作り始めるとサビのハードルが爆上がりする
かっこいいギターリフを思いつき、イントロから曲を作り始めたことがあります。
イントロはいい感じです。しかし、その先にどんなサビが待っているのか、自分でも分かりません。スタート地点は決まっているのに、ゴール地点が決まっていないような感覚です。
Aメロ、Bメロまでは勢いで作ったものの、いざサビを作り始めると、イントロの印象が強いので、それを上回るパワーを持つサビを作りたくなりました。
自分の中で、サビに求めるハードルが爆上がりしていたんです。
その曲は迷いながら作り進め、なんとかサビを作って一曲として完成させましたが、完成までにすごく時間がかかりました。
それに、もし納得できるサビができなければ、どれだけイントロがかっこよくても、その曲はお蔵入りしていた可能性があります。
だから私は、最初にサビを作り、ゴールを決めた状態で曲作りを始めることをおすすめします。
サビ完成までの3つの工程
私がサビを作る流れは、次の3つです。
- メロディーとコード進行を同時に作る
- ボカロや自分の声で歌い、キーを調整する
- ドラム、ベース、ギター、シンセを重ねてサビを聴く
最初からフルコーラスを考える必要はありません。まずはこの3つだけに集中します。
1. メロディーとコード進行を同時に作る
私はMIDIキーボードの左手でコードを鳴らし、右手でメロディーを探します。
どちらかを先に完成させるのではなく、伴奏と歌の関係をイメージしながら、その場で音にしながら進めていきます。
私は、鍵盤を弾けない状態から曲作りを始めました。ピアノを演奏する技術がなくても、曲は作れます。
片手3本の指で鍵盤を押さえるだけで、コードを鳴らせるからです。
MIDIキーボードは、あらゆる楽器の中でもコードの響きを確かめるのが最も簡単な楽器と言えます。

また、トランスポーズという機能を使えば、白鍵を中心にさまざまなキーの曲を作れます。
トランスポーズとは、鍵盤を押したときに鳴る音を、半音単位で上下させる機能です。例えば「+2」に設定すると、ド・ミ・ソを押しても、実際にはレ・ファ♯・ラの音が鳴ります。
指の形を変えずに曲全体のキーを変更できるため、黒鍵の多いキーでもCキーと同じ感覚でコードやメロディーを探せます。
楽器を演奏したことがない方にも、曲作りを始める道具としてMIDIキーボードがおすすめです。
MIDIキーボードの使い方、よく使うコード進行、トランスポーズ機能については、DTMでコード進行とメロディーを同時に作る方法で詳しく紹介しています。
サビの仮歌詞も、この段階で決める
メロディーとコードを作るときは、サビの歌詞も一緒に考えます。
ボカロは歌詞を入れないと、「ラララ」と歌うので曲っぽくなりません。自分で歌うときも同様です。
この段階で歌詞を完璧に決める必要はありません。後から直してもいいので、早い段階で仮歌詞を決めておくのがおすすめです。
2. ボカロや自分の声で歌い、キーを調整する
メロディーとサビの仮歌詞ができたら、ボカロに歌ってもらいます。自分で歌う曲なら、実際に歌って確認します。
鍵盤では良く聞こえても、歌になると張りが足りなかったり、高すぎて声が細くなったりします。
もっとパワーが欲しければキーを上げ、高すぎるなら下げる。音域へ収めるだけではなく、その声の魅力が最も引き立つ位置を探します。
3. 楽器を重ねてサビを完成形にする
サビのメロディーとキーが決まったら、楽器を重ねていきます。
まず、どんな音を入れたいかを考えます。多くの曲は、基本的にドラム、ベース、ギター、鍵盤(ピアノやシンセ)で構成されています。
ドラムとベースは多くの曲に入っており、音の土台となります。
ロックやメタルなら、ギターを入れて迫力や厚みを出します。
ピアノが主体の曲なら、ピアノが厚みを担当します。
ポップスは、バランス良くいろいろな音が入っています。
「楽器を弾きます!」という方は、自分が好きな楽器をメインに音を入れていくとやりやすいです。
実際に入れていく順番は、ドラム → ベース → ギター → 鍵盤、もしくはドラム → ベース → 鍵盤 → ギターがおすすめです!

最初にドラムを打ち込もう!
まずはドラムから打ち込みます。
バラードでは打楽器がない曲もありますが、大体の曲には入っています。ドラムが入ると、曲にノリやグルーヴが生まれます。
DTMでドラムをレコーディングするのは現実的ではありません。多くは、生ドラムをサンプリングした打ち込みや、デジタルなドラムシンセの音を使ったり組み合わせたりします。
ドラムに合わせてベースを弾くので、基本的には最初に打ち込みます。
ドラムの打ち込みのやり方や基本パターンは、別記事で紹介します。準備中です。
ベース
ベースはドラムと組み合わさり、ノリやグルーヴを生み出します。加えて、コード感や迫力を生み出すことができます。
ベースは実際に弾いてレコーディングしても、打ち込んでもOKです。私はベースが上手くなりたいので、弾いてレコーディングしています。
「音がよく聞こえないんだけど」と思う場合も、ベースのミュートをオン、オフすると、曲の中での存在感に気付けると思います。
ベースの打ち込みのやり方やレコーディングの方法は、別記事で解説します。
ギター
ギターは、ドラムとベースで作った土台の音に厚みや広がりを加えます。
ロックやメタルでは、ギターが入っていない曲を探す方が大変です。ポップスでも、うっすら入っていることが多いです。
打ち込み、もしくは実際にレコーディングします。コード弾きなどは音数が多くなるため、打ち込むよりレコーディングした方が早いうえに、迫力も出せます。
王道は、コードを弾いたものを左右に2つ重ね、上物フレーズも左右に2つ重ねる形です。合計4トラックにすると、厚みと迫力が出ます。
ギターの打ち込みのやり方、レコーディングのやり方、フレーズの作り方は、それぞれ別記事で解説します。
鍵盤(ピアノやシンセなど)
ギターと同様、ドラムとベースで作った土台の上に厚みや広がりを加えます。
ピアノでコードを入れたり、印象的なフレーズを入れて曲に彩りを加えたりします。
細部を完成させる必要はありません。ただし、コード弾きだけで判断せず、完成したサビがどこまで強くなるのか想像できるところまで音を重ねます。
音を入れたら形になっています!
歌と演奏が一つの形になり、サビが曲らしくなります。
音を入れたあとに歌詞を見直す
歌詞がメロディーに乗っていても、音を入れると印象が変わります。
語感がいいか、声が引き立つか、言葉が演奏に埋もれていないかを確認し、必要に応じて歌詞を直します。
これでサビを完成させるまでの工程が完了です。
補足:ドンドン紙に書いてみよう
曲のテーマや歌詞、あとで直したいと思ったところは、紙に書くのがおすすめです。
頭の中で「次はこれをやろう」と考え続けると、脳が疲れやすくなります。やることを紙へ出しておけば、制作中は今の作業に集中できます。
スマホのメモでも構いません。ただ、紙なら思いついたことをその場でどんどん書き加えられますし、スマホにメモをするつもりが気になる通知を見て気が散る、ということもあるので紙をおすすめします。
私は終わった作業に赤丸を付けています。完了したことが目に見えるので、「ちゃんと進んでいる」という感覚が生まれ、次の作業へ進みやすくなります。
私が使っているのは、Amazonで見つけた独特なデザインのノートです。魔法を使うときの本っぽいので、自分では「魔導書」と呼んでいます。
普通のノートでも書く内容は同じですが、この魔導書に書くと、なんかテンションが上がります。

最大のご褒美!完成品を聴いてみよう
でき上がったら、曲を聴いてみましょう。初めて作った曲なら、感動もひとしおです。
DTMerにとって、何にも変えることができない最大のご褒美の時間と言えます。
もしかしたら、もっと直したいところも出てくるかもしれません。
集中して聴き込むより、車の中などでさりげなく流し、違和感を感じるかどうかで判断するのがおすすめです。
納得できるものができれば、完成です!
サビができたら、次はどうする?
サビができて、いろいろな場面で聴き込んでも「いいじゃん!」と思えたら、次に行きましょう。
ここからは、曲の制作を進めるか、誰かに聴いてもらうかを選べます。
ワンコーラスの制作へ進む
サビができたら、次はAメロとBメロを加えてワンコーラスを作ります。
サビを目的地にして作ると、AメロとBメロではどこまでパワーを抑えるか、どこでサビへ向けて盛り上げるかを考えやすくなります。
サビだけ公開する
サビが完成した段階でYouTubeにアップするのも、今の時代なら全然ありです。
曲の途中でも誰かに聴いてもらうと、励ましや感想をもらえることがあります。その反応が、続きを作る力になることもあります。
質問があれば送ってください
ここまでで、質問したいことはありましたか?
曲作りで止まったところや、記事にしてほしいことがあれば、こちらからぜひ質問してみてくださいね。
DTM伴走サービスもリリース準備中です。一曲を完成させるまでだけではなく、まずはサビだけを一緒に形にする「サビだけコース」も用意します。