メロディーを作るときは、コード進行も同時に作るのがおすすめです。
私は、どちらかを先に完成させるのではなく、MIDIキーボードでコード進行とメロディーを同時に作っています。左手でコードを鳴らし、右手でメロディーを探す方法です。
この記事では、私が最初にサビを作り、実際の歌声に合わせてキーを決めるまでの手順を紹介します。
コード進行は、文字だけを見ても音の雰囲気が分かりにくいと思います。そこで、それぞれのコード進行から実際にメロディーを作り、音で確認できる動画も順次公開します。
コード進行とメロディーを同時に作る
私は、最初にサビを狙って作ります。
曲の頭から順番に作るのではなく、最初に曲の中心になる部分を作り、このサビを最後まで育てたいと思えるかを確認します。
このとき、コード進行を作ってからメロディーを考えるわけではありません。コードを鳴らしながら、その響きに合うメロディーを同時に探します。
コードの響きとメロディーを別々に考えなくてよいため、「伴奏の上で実際に歌が鳴ったらどう聞こえるか」を、その場で確認できます。
どんなメロディーにグッとくるのか。それは、あなた自身が知っているはずです。
これまでずっと聴いてきた音楽が、あなたのDNAに刻まれています。
自分の感性を信じましょう!
MIDIキーボードを使う理由
MIDIキーボードを使う理由は、伴奏とメロディーを同時に音へ出しやすいからです。
左手でコードを押さえ、右手でメロディーを探します。気になった音をその場で鳴らし、良いと思った流れをDAWへ記録していきます。
コードは、基本的に3本の指で鍵盤を押さえるだけです。難しい演奏をするわけではないので、鍵盤を弾くテクニックがなくても大丈夫です。
白鍵を使う基本的なコードなら、左手の押さえ方もすべて同じです。最初の鍵盤を押さえたら、白鍵を1個飛ばして次の鍵盤を押さえ、さらに1個飛ばしてもう一つ押さえます。
この「1個飛ばしで3つ押す」という形を、そのまま左右へ動かすだけです。コードごとに複雑な指の形を覚えなくてよいので、右手のメロディー作りへ意識を向けられます。

私は鍵盤が弾けないところから、この方法で曲を作り始めました。ピアノを滑らかに演奏する技術がなくても、コードの形を押さえ、右手で一音ずつメロディーを探せれば曲は作れます。
ギターで作る方法もある
私は楽器をギターから始めましたが、作曲で使うなら圧倒的にMIDIキーボードが便利です。
MIDIキーボードを持っていない場合は、ギターでも作れます。
コードをジャラーンと鳴らし、その上で「ふんふーん」と鼻歌を歌ったり、適当な言葉を口ずさんだりしながらメロディーを探します。
ただ、伴奏とメロディーを同時に確認し、あとからキーも簡単に変えたい場合は、MIDIキーボードが便利です。
作曲における最強の機能!トランスポーズ
MIDIキーボードで特に便利なのが、トランスポーズ機能です。
トランスポーズとは、鍵盤の弾き方やコードの形を変えずに、鳴る音全体を半音単位で上下させる機能です。
例えばトランスポーズを「+2」にすると、同じ鍵盤を弾いても、すべての音が半音2つ分高く鳴ります。コード進行とメロディーの関係を保ったまま、曲全体のキーだけを変えられます。
例えば、王道進行の「F → G → Em → Am」を「G → A → F#m → Bm」で鳴らしたい場合も、トランスポーズを「+2」に設定し、鍵盤ではそのまま「F → G → Em → Am」と押さえるだけです。実際に鳴る音は「G → A → F#m → Bm」になります。
難しいコードの押さえ方を新しく覚えなくてよいため、その分メロディー作りに集中できます。

私は白鍵を中心にコードとメロディーを作り、トランスポーズボタンで実際に鳴るキーを変えています。基本的なコード進行であれば、弾く場所はほとんど白鍵のままで、さまざまなキーの曲を作れます。どんなキーであっても、Cキーと同じ感覚でメロディーを作ることができます。
キーが変わるたびに、新しいコードの押さえ方を覚える必要はありません。同じ指の形のまま曲全体を上下できるので、鍵盤の演奏に慣れていなくても作曲へ使いやすい機能です。
私がよく使うコード進行
ここからは、私がメロディーを作るときによく使うコード進行を紹介します。
コード進行は、そのまま使うこともあれば、作ったメロディーに合わせて順番や長さ、構成音を変えることもあります。まずは基本形を鳴らし、その上で自由にメロディーを探します。
王道進行|F → G → Em → Am
最初は、F → G → Em → Amと進む王道進行です。
ロックにもバラードにも使いやすく、サビのメロディーを考えるときに頼りやすい進行です。勢いを出すことも、切なさを出すこともできます。
カノン進行|C → G → Am → Em → F → C → F → G
次はカノン進行です。
コードの数は多く見えますが、順番に鳴らすと自然に流れていきます。バラードだけでなく、テンポを上げてメロディックスピードメタルのような曲にも使えます。
私は基本形をそのまま固定して使うのではなく、作りたいメロディーに合わせて一部を変えながら使っています。
幾千光年の孤独コード|Am → Dm → G → C
Am → Dm → G → Cと進むコードです。
THE BACK HORNの「幾千光年の孤独」で使われていることから、私は「幾千光年の孤独コード」と呼んでいます。
オルタナティブロックやバラードと相性がよく、少し影のあるメロディーも乗せやすい進行です。音楽理論では、Cメジャーの「vi → ii → V → I」に当たります。
小室進行|Am → F → G → C
Am → F → G → Cと進む小室進行です。
次に紹介するメロコア進行と同じ4つのコードを使い、後半のCとGの順番だけが違います。
最後がGからCへ進むため、一区切りついたような着地感を作りやすい進行です。私はメロディーの流れを聴きながら、小室進行とメロコア進行のどちらが自然かを選んでいます。
メロコア進行/曇天進行|Am → F → C → G
Am → F → C → Gと進む、メロコアやロックが好きな人には馴染み深い進行です。
日本のロックバンドでは、DOESの「曇天」がまさにこの進行!という感じです。
ロック全般、メタル、バラードまで使えます。テンポやリズム、アレンジを変えるだけで、疾走感も力強さも切なさも出せるため、私にとって個人的最強のコード進行です。
なんとSUM 41の「The Hell Song」では、イントロからエンディングまで、この型のコード進行がずっと繰り返されています。
同じ進行を繰り返しているのに、ギターリフ、メロディー、ドラム、音数、演奏の強弱によって曲が展開していく。本当にすごい曲です。
コード進行を複雑にしなくても、メロディーとアレンジで一曲を成立させられることが分かります。
複雑なコードが分からなくても曲は作れる
有名曲のコード進行を調べると、難しそうなコードネームが並んでいることがあります。
しかし、実際には基本のコードへ音を足していたり、ベース音を変えていたり、メロディーとの関係で複雑な表記になっていたりすることも多いです。
最初から、その複雑なコードをすべて理解する必要はありません。今回紹介した基本形のコードだけでも曲は作れます。
私自身も、細かい理論をすべて理解してから作っているわけではありません。まずは基本形で曲を作り、物足りないところがあれば、耳で確かめながら音を足したり変えたりしています。
作ったメロディーを実際に歌わせる
コード進行とメロディーができたら、ボカロに歌ってもらいます。自分で歌う曲なら、実際に自分の声で歌います。
鍵盤の音だけで聞いたときには良くても、歌わせてみると「もう少し張りが欲しい」「高すぎて声が細くなっている」と感じることがあります。
歌にもっと張りやパワーが欲しければ、キーを上げます。反対に、高すぎて声が細くなったり、苦しそうに聞こえたりする場合はキーを下げます。
この調整も、先ほど紹介したトランスポーズボタンを押すだけです。実際に歌わせながら曲全体を上下させ、声の変化を比べます。
音域に収まっているかだけではなく、そのボカロや歌い手の声が一番魅力的に聞こえる場所を探します。
コード進行ごとのメロディーを動画で紹介します
同じコード進行でも、テンポ、リズム、音の長さ、メロディーの作り方によって、曲の印象は大きく変わります。
今後は、この記事で紹介したコード進行を実際に鳴らし、その上にどのようなメロディーを作れるのか動画で紹介します。
文字で基本形を確認し、動画で実際の音を聴く。この2つを組み合わせて、自分の曲作りへ使ってみてください。
まとめ
私は、MIDIキーボードの左手でコードを鳴らし、右手でメロディーを探しながら、サビのコード進行とメロディーを同時に作っています。
複雑なコードをすべて理解していなくても、基本形から曲は作れます。大切なのは、実際に音を鳴らし、自分が「なんかいい感じ」と思えるメロディーを見つけることです。
メロディーができたら、ボカロや自分の声で歌わせ、トランスポーズ機能で声が最も引き立つキーを探します。
まずは気になったコード進行を一つ選び、繰り返し鳴らしながら、その上で自由にメロディーを探してみてください。